高山病を防ぐ

客観的に高山病を発見する

交通アクセスの向上により、下界に住む私たちでもあっという間に5合目に到着し、気軽に富士山に挑戦することができます。
富士山へのアプローチが短くなった分、身体は一気に酸素の少ない環境にさらされ、目に見えない危険に遭遇します。短時間で高所にいけばいくほど、それだけ高山病にかかりやすくなっているのです。
高山病は、そういった低酸素環境での拒絶反応として頭痛やめまい、吐き気などのが起こる諸症状です。

マウンテンプロジェクトでは顔色や呼吸の乱れだけに注意するだけではなく、客観的な判断をするために、パルスオキシメーターでの測定を定期的しながら、少し体調の変化をみのがさないようにしています。
このような高山病にかかると、体力を消耗し登頂できなくないばかりか、最悪の場合死に至ります。せっかくの富士山への挑戦が、嫌なだけの思い出になることの無いように、しっかりと対策を講じて、高山病を予防しなければ、安心して富士山におつれすることはできません。

パルスオキシメーターとは

皮膚を通して動脈血酸素飽和度(SpO2)と脈拍数を測定するための装置です。赤い光の出る装置(プローブ)を指にはさむことで測定します。肺から取り込まれた酸素は、赤血球に含まれるヘモグロビンと結合して全身に運ばれます。酸素飽和度(SpO2)とは、心臓から全身に運ばれる血液(動脈血)の中を流れている赤血球に含まれるヘモグロビンの何%に酸素が結合しているか、皮膚を通して(経皮的に)調べた値です。

病院では、酸素吸入が必要かどうかを判断するために利用していて、救急車に乗ったらまず、これで測定します。

 

酸素飽和度(SpO2)は肺や心臓の酸素を体内に取り込む力が落ちてくると下がります。高山病にかかっているかどうかの判定に役立てています。 下界では一般的に96~99%が標準値とされ、90%以下の場合は十分な酸素を全身の臓器に送れなくなった状態(呼吸不全)になっている可能性があるため、適切な対応が必要です。

富士山は気圧が低いので、80%を下回ることが普通です。