これが一番よく聞かれる質問です。
その答えは『わかりません』です。
問題なのは、『登れるかどうか』ではなく、『どうしても登りたい!』と思っているかどうかです。スポーツや武術では、『心技体が揃っている』ことを成し遂げた理由にあげることが多いですよね。一番大切なのは、その中でも『心』です。登れそうだから挑戦してみようかな?という人と、どうなっても構わないから登りたいという気持ちの人がいたとすると、間違いなく後者の方が登れるでしょう。ちょっと極端かもしれませんが、心の状態が一番大切だと思います。
『技』の部分は特別難しくありませんので、あとは『体』です。
体力的なことに関しては、何日かけても、予算も気にしないのならほぼ全員登れます。一般的な1泊2日での場合は、普通の体力があれば登れると思います。幼稚園児はゴロゴロいるし80歳どころか90歳代の方も毎年何人も登られています。しかし、富士山の登頂できる確率は約60%ぐらいだろうと考えられています。成否をわける原因は何だと思いますか?
せっかく山頂近くまで登ってきたのにリタイヤする理由は、以下のことだと考えています。
1)そもそも計画に問題がある。(余裕がない)
2)降参病(高山病よりもずっと多い)
いわゆるバテてしまうと高山病の様な症状で一番多い理由
3)無理なペースで登る
4)荷物の持ち過ぎ
5)トレーニング不足
6)体調不良7)天候不良
8)高山病
※降参病は、リタイヤの原因で一番多い。
無理なペースや荷物の持ち過ぎから引き起こされると考えています。
天候不良とトレーニング不足はどうしようもないですが、私たちガイドはそれ以外の原因に注意を払っています。
大切な命を預かる立場をわきまえ、無事下山することを第一に『無理をしない、急がない』ことで、ゲストの体調悪化を防止して、変化する体調やメンタルを絶えず客観的に注意をはらいながらガイドをしています。
2011年 | 2012年 | 2013年 | 2014年 | 2015年 | 2016年 | 2017年 | 2018年 | |
リタイヤ人数 | 0 |
0 |
2 |
2 |
7 | 6 | 3 | 2 |
※2013年のケースは5歳の女の子が7合目の小屋で宿泊した翌日、登山意欲喪失のため。お母さんが追従。
※2014年のケースは10歳の男の子が7合目の小屋で宿泊した翌日、登山意欲喪失のため。お父さんが追従。
※2015年のケースは7合目で宿泊後。翌日予報以上に天候悪化のため7名全員で断念。
※2016年のケースは沖縄県からのご家族4人が7合目の小屋で寒さで元気喪失。全員断念。
7合目まで登った10歳の男の子が八合五尺の小屋で断念。バテが原因。お父さんが追従。
※2017年のケースはお子様2人がバテてしまい、お母さんが付き添われて下山。
※2018年のケースは山頂直下で天候が急に悪化、凍えるような寒さで8歳のお子様が意欲喪失してお母さんが付き添われた。